売り専をやってたゲイです。
今は、一緒に住んでいる優しいパートナーが居てくれてます。
若い頃は売り専で生計を立てていて、男性経験は500人以上はいます。
今のパートナーは元お客さんではないのですが、ゲイバーで飲んでいたときにママのおせっかいで連絡先を交換。
カラオケで盛り上げてくれるような店子さんがいるような、フレンドリーなバーであの日はじめて見かけたあの人は、いい意味でゲイっぽくない感じの大学生4年生。
爽やかな笑顔、堂々とした立ち振舞い。
素肌に着た薄手にTシャツがセクシーで、すべすべの肌、つんつんした髪が可愛いくて。
「また飲みましょ〜」なんて言って、たまに会って、飲むように。
売り専で金銭感覚が狂うと、なかなかその仕事から抜け出せないもので。
ずっと貧乏だったから余計に、もう戻りたくなくて。
いいお客さんもいたけど、仕事はキツかった。なんだか空っぽになるような毎日、理想と現実のギャップ、将来への不安。
そういう弱っているときに出会う人って、ずるいけど引力があるんですかね。
年下だし、ついついおごろうとすると、「割り勘じゃないと続かないですよ!」と言われてハッとしたことがありました。
自分に魅力はセックスとカネだけだからと思ってしまうフシがあったんです。
おごったり、抜いたりしてあげないと自分と時間を過ごしてもらえないんじゃないかって、最悪の自己肯定感ですけど、本当にそう思いこんでいました。
でも「自分なんか」と思わなくてよくなったのは、彼がいたから。
「どうしたんですか、話聞きますよ」と、本気で心配して夜中に電話してきてくれたときに、感じた恋愛感情。
初めて遊んだときに見せてくれた子供みたいな笑顔、売り専をやめたかったときに、転職活動を手伝ってくれたこと。
夜の世界で多くの男を相手にしてきた自分なんかが、恋愛なんてまともにできるわけがないと自信をなくしていたけれど
この人はお金でも、セックスでもなく、本当の自分を見てくれているんだと気づかせてくれました。
今思えばそんな男性は初めてだったのかも…。
ーとある日、またバーで飲んで、終電をなくしてカラオケに。
酔ってソファで雑魚寝すると彼と密着していました。カラオケの紫の光の中で目が合って、離せなくなりました。
性を売る仕事をしているのに、忘れていたようなドキドキ感が戻ってくる。
彼からキスされて。本当はもっとしたかったけれど、キスだけで終わり。
仕事では絶対ありえない、ピュアなときめきにドキドキしっぱなしでした。
「会った最初の日から好きだったよ」
なんて、本当かな?とは思うけど、嬉しい告白をもらって、今では一緒に暮らしています。
500人以上と一夜を共にして、ひとりだけ残った今のパートナー。
どんな過去を持っていても、自分を受け入れてくれる人は必ず居て、仕事に関係なく幸せな時間をくれる人がいることを知りました。